西欧近代の社会思想史においては、その劈頭を飾った啓蒙主義の社会理論において宗教批判が主要な課題となったのをはじめとして、宗教論ないし宗教批判が社会理論の構築と密接不可分の関係を形づくってきた。そこでは、宗教や宗教史をどう理解するかが、社会、とりわけ近代社会の存立とその構造をトータルに把握し、ひいてはその文明史的位相を展望することと表裏の関係にあった。宗教社会学という学問分野は、西欧のそのような社会思想史的伝統に棹差していたのではないだろうか。
第一章 マルクス社会理論における宗教批判の論理第二章 デュルケーム社会理論における宗教社会学の位置第三章 ウェーバー社会科学の基礎視角第四章 パーソンズ社会学と宗教第五章 世俗化論争とパーソンズ第六章 宗教復興と文明論的分析第七章 ウェーバーからアイゼンシュタットへ第八章 医療社会学と身体へのアプローチ