環境化したデジタルメディアの中で生きることを徹底的に意識し、その光と影を分析するだけでなく、広がる様々な可能性について展望を示した意欲作。(2013年3月刊行)
序章 環境化するデジタルメディア
1.「環境」としてのデジタルメディア
2.環境に閉ざされる
2-1.アーキテクチャによるふるまいの管理
2-2.環境に内在すること
3.環境を使いこなす
3-1.創造的な利用
3-2.デジタルメディアの可塑性
4.本書の構成
第Ⅰ部 問題を発見する
第1章 ウェブは本当に情報の大海か
1.「何でもある」は本当か?
2.情報を選別するということ
2-1.見たいものしか見ない
2-2.人気投票としての検索ランク
3.パーソナライゼーション
3-1.大海かプライベートビーチか
3-2.リコメンデーション・サービス
4.ソーシャルな情報収集
第2章 ネットは自由な空間か管理された箱庭か
1.生み出す力
2.箱庭としてのインターネット
2-1.ひも付きアプライアンス、クラウドサービス
2-2.無線とラジオの物語
3.「生み出す力」とユーザーの意識
3-1.インターネットをめぐる不安
3-2.オープンソースとインターネット
4.ユーザーの立ち位置
第3章 ケータイは友人関係を広げたか
1.ケータイと友人関係の切っても切れない関係
2.ケータイは友人関係を広げたか
2-1.希薄化説から選択化説へ
2-2.選択化説から同質化説へ
2-3.用いる調査データ
3.調査結果からみえてくる実態
3-1.ケータイの利用実態
3-2.量的に広がる友人関係
3-3.質的には広がっているのか
3-4.どのような友人関係に満足しているのか
4.持続される「引き算の関係」
第4章 ゲームはどこまで恋愛できるか
1.美少女キャラは「俺の嫁」か
1-1.ビデオゲームの悩ましさ
1-2.ビデオゲームの心地よさ
1-3.理想の恋愛を味わうゲーム
2.恋愛ゲームの新局面
2-1.恋愛ゲーム化
2-2.ゲームとしての「ラブプラス」
2-3.ペットとしての「ラブプラス」
3.恋愛の理想と現実
3-1.期待はずれのない安心
3-2.期待はずれの生む幸せ
3-3.親密性の消費
4.仮想恋愛のゆくえ
4-1.仮想を現実的に楽しむ
4-2.仮想世界との4つのかかわり
4-3.「エクストリーム・ラブプラス」
4-4.キャラクターとの「コミュニケーション」
第5章 動画共有サイトでは何が共有されないか
1.テレビ視聴のオルタナティブ
1-1.テレビにおもねらない流行
1-2.動画共有サイトの躍進
1-3.視聴スタイルの刷新?
2.録画の外部化
2-1.お茶の間の分析
2-2.テレビ欄の変貌
3.共同性の演出
3-1.ハガキ職人風の達成感
3-2.お茶の間風の一体感
4.同質性の袋小路を越えて
4-1.タグづけとフォークソノミー
4-2.情報の落ち葉をかき集めること
4-3.「類友」をかき集める技術
4-4.ビデオ・スナッキングの憂鬱
第6章 iPodはコンテンツ消費に何をもたらしたか
1.偏在するポピュラー文化
1-1.文化作品はコンテンツへ
1-2.「コンテンツ」が表象するもの
2.価値の概念とデジタルコンテンツ
2-1.固有性の価値
2-2.希少性の価値
3.iPodユーザーたち
3-1.iPodをめぐる状況
3-2.デジタルをプレイするスタイル
3-3.CD棚を持ち歩くようなスタイル
3-4.MD(ミニディスク)プレーヤーの延長としてのスタイル
3-5.DJのように音楽を操作するスタイル
3-6.情報機器のユーザビリティがもたらす親密感
4.過渡期としての現代社会
4-1.それだけで充足する情報端末
4-2.価値を取り戻すために
4-3.テクノロジーの行方
第Ⅱ部 可能性を探る
第7章 オンラインで連携する
1.「個人化社会」で連帯できるか
1-1.「個人化」する社会
1-2.あらたな連帯の可能性へ
2.アナログ時代のファンコミュニティ
2-1.ファンコミュニティの誕生
2-2.拡大するファンコミュニティ
3.デジタル時代のファンコミュニティ
3-1.オンライン・ファンコミュニティの誕生
3-2.変容するオンライン・ファンコミュニティ
4.オンラインにおける連帯のゆくえ
第8章 「つながり」で社会を動かす
1.みんなという「つながり」
2.オープンソースとしてのLinux
3.Web2.0としてのwikipedia
4.「つながり」の前提
5.いつまで経っても未完成
6.「つながり」の二重写し
第9章 ケータイで都市に関わる
1.舞台としての都市、素材としての都市
1-1.舞台としての都市
1-2.素材としての都市
2.「ギャル」のケータイ的都市経験
2-1.エクストリーム・ユーザー
2-2.「ギャル」の一日を追尾する
2-3.プラットフォームとしての都市/ケータイ
3.ジオメディアの展開
3-1.ケータイで現実空間に関わる
3-2.ジオメディアの可能性
4.ケータイと都市の豊かな関係へ
第10章 リアルタイムウェブを生きる
1.リアルタイムウェブは新しいのか?
1-1.「情報の速度」と「時間の同期」
1-2.いつでもどこ(から)でも
2.Twitterのコンテンツとコミュニケーション
2-1.タイムライン=コンテンツを作る
2-2.ツイートによるコミュニケーション
2-3.リツイートによる情報の拡散
2-4.Twitterは新しいか
2-5.Twitterがつなぐもの
3.Ustreamの間メディア性
3-1.ダダ濡れするメディア
3-2.擬似同期から真性同期へ
3-3.間メディア性と真性同期
4.時間がつなぐもの
第11章 デジタルメディアで創作する
1.作曲の時代?
1-1.アマチュア創作の台頭
1-2.UGC/UCCの時代
2.宅録からDTMへ
2-1.デスクトップで作られる音楽
2-2.VOCALOIDの衝撃
2-3.広がるアマチュア創作
3.RO文化からRW文化へ
3-1.「やってみた」、マッシュアップ、リミックス、N次創作
3-2.コミュニケーションの誘発
~「みくみくにしてあげる♪」【してやんよ】」
3-3.物語消費からデーターベース消費へ
~「道夏大陸20分でわかるPerfume」
4.クリエイティブな受け手
第12章 デジタルコンテンツとフリー経済を考える
1.無料経済
1-1.パッケージ販売の低下
1-2.誰が対価を支払うのか
1-3.フリー経済のモデル
2.グローバリゼーションの進行
2-1.グローバリゼーションとは
2-2.コンテンツとコンテナ
2-3.ユビキタスという大儀
3.ガラパゴス化する日本
3-1.ガラパゴス化とは
3-2.コンテンツを囲い込む
4.舵をどう握るか
4-1.コンテンツをただで配る
4-2.コンテナを利用する
4-3.おわりに
終章 メディア・リテラシーの新展開
1.ソフトウェアの社会
2.「喩え」としてのメディア論
3.マスメディアとメディア・リテラシー
4.「アーキテクチャ」としてのソフトウェア
5.ソフトウェアを笑いあう