環境化したデジタルメディアの中で生きることを徹底的に意識し、その光と影を分析するだけでなく、広がる様々な可能性について展望を示した意欲作。
序章 環境化するデジタルメディア
1.「環境」としてのデジタルメディア
2.環境に閉ざされる[2-1.アーキテクチャによるふるまいの管理/2-2.環境に内在すること]
3.環境を使いこなす[3-1.創造的な利用/3-2.デジタルメディアの可塑性]
4.本書の構成
第Ⅰ部 問題を発見する
第1章 ウェブは本当に情報の大海か
1.「何でもある」は本当か?
2.情報を選別するということ[2-1.見たいものしか見ない/2-2.人気投票としての検索ランク]
3.パーソナライゼーション[3-1.大海かプライベートビーチか/3-2.リコメンデーション・サービス]
4.ソーシャルな情報収集
第2章 ネットは自由な空間か管理された箱庭か
1.生み出す力
2.箱庭としてのインターネット[2-1.ひも付きアプライアンス、クラウドサービス/2-2.無線とラジオの物語]
3.「生み出す力」とユーザーの意識[3-1.インターネットをめぐる不安/3-2.オープンソースとインターネット]
4.ユーザーの立ち位置
第3章 ケータイは友人関係を広げたか
1.ケータイと友人関係の切っても切れない関係
2.ケータイは友人関係を広げたか[2-1.希薄化説から選択化説へ/2-2.選択化説から同質化説へ/2-3.用いる調査データ]
3.調査結果からみえてくる実態[3-1.ケータイの利用実態/3-2.量的に広がる友人関係/3-3.質的には広がっているのか/
3-4.どのような友人関係に満足しているのか]
4.持続される「引き算の関係」
第4章 ゲームはどこまで恋愛できるか
1.美少女キャラは「俺の嫁」か[1-1.ビデオゲームの悩ましさ/1-2.ビデオゲームの心地よさ/1-3.理想の恋愛を味わうゲーム]
2.恋愛ゲームの新局面[2-1.恋愛ゲーム化/2-2.ゲームとしての「ラブプラス」/2-3.ペットとしての「ラブプラス」]
3.恋愛の理想と現実[3-1.期待はずれのない安心/3-2.期待はずれの生む幸せ/3-3.親密性の消費]
4.仮想恋愛のゆくえ[4-1.仮想を現実的に楽しむ/4-2.仮想世界との4つのかかわり/4-3.「エクストリーム・ラブプラス」/
4-4.キャラクターとの「コミュニケーション」]
第5章 動画共有サイトでは何が共有されないか
1.テレビ視聴のオルタナティブ[1-1.テレビにおもねらない流行/1-2.動画共有サイトの躍進/1-3.視聴スタイルの刷新?]
2.録画の外部化[2-1.お茶の間の分析/2-2.テレビ欄の変貌]
3.共同性の演出(3-1.ハガキ職人風の達成感/3-2.お茶の間風の一体感]
4.同質性の袋小路を越えて[4-1.タグづけとフォークソノミー/4-2.情報の落ち葉をかき集めること/4-3.「類友」をかき集める技術/
4-4.ビデオ・スナッキングの憂鬱]
第6章 iPodはコンテンツ消費に何をもたらしたか
1.偏在するポピュラー文化[1-1.文化作品はコンテンツへ/1-2.「コンテンツ」が表象するもの]
2.価値の概念とデジタルコンテンツ[2-1.固有性の価値/2-2.希少性の価値]
3.iPodユーザーたち[3-1.iPodをめぐる状況/3-2.デジタルをプレイする
スタイル/3-3.CD棚を持ち歩くようなスタイル/3-4.MD(ミニディスク)プレーヤーの延長としてのスタイル/3-5.DJのように音楽を操作するスタイル/3-6.情報機器のユーザビリティがもたらす親密感]
4.過渡期としての現代社会[4-1.それだけで充足する情報端末/4-2.価値を取り戻すために/4-3.テクノロジーの行方]
第Ⅱ部 可能性を探る
第7章 オンラインで連携する
1.「個人化社会」で連帯できるか[1-1.「個人化」する社会/1-2.あらたな連帯の可能性へ]
2.アナログ時代のファンコミュニティ[2-1.ファンコミュニティの誕生/2-2.拡大するファンコミュニティ]
3.デジタル時代のファンコミュニティ[3-1.オンライン・ファンコミュニティの誕生/3-2.変容するオンライン・ファンコミュニティ]
4.オンラインにおける連帯のゆくえ
第8章 「つながり」で社会を動かす
1.みんなという「つながり」
2.オープンソースとしてのLinux
3.Web2.0としてのwikipedia
4.「つながり」の前提
5.いつまで経っても未完成
6.「つながり」の二重写し
第9章 ケータイで都市に関わる
1.舞台としての都市、素材としての都市[1-1.舞台としての都市/1-2.素材としての都市]
2.「ギャル」のケータイ的都市経験[2-1.エクストリーム・ユーザー/
2-2.「ギャル」の一日を追尾する/2-3.プラットフォームとしての都市/ケータイ]
3.ジオメディアの展開[3-1.ケータイで現実空間に関わる/3-2.ジオメディアの可能性]
4.ケータイと都市の豊かな関係へ
第10章 リアルタイムウェブを生きる
1.リアルタイムウェブは新しいのか?[1-1.「情報の速度」と「時間の同期」/1-2.いつでもどこ(から)でも]
2.Twitterのコンテンツとコミュニケーション[2-1.タイムライン=コンテンツ
を作る/2-2.ツイートによるコミュニケーション/2-3.リツイートによる情報
の拡散/2-4.Twitterは新しいか/2-5.Twitterがつなぐもの]
3.Ustreamの間メディア性[3-1.ダダ濡れするメディア/3-2.擬似同期から真性同期へ/3-3.間メディア性と真性同期]
4.時間がつなぐもの
第11章 デジタルメディアで創作する
1.作曲の時代?[1-1.アマチュア創作の台頭/1-2.UGC/UCCの時代]
2.宅録からDTMへ[2-1.デスクトップで作られる音楽/2-2.VOCALOIDの衝撃/2-3.広がるアマチュア創作]
3.RO文化からRW文化へ[3-1.「やってみた」、マッシュアップ、リミックス、N次創作/3-2.コミュニケーションの誘発~「みくみくにしてあげる♪」【してやんよ】」/3-3.物語消費からデーターベース消費へ~「道夏大陸20分でわかるPerfume」]
4.クリエイティブな受け手
第12章 デジタルコンテンツとフリー経済を考える
1.無料経済[1-1.パッケージ販売の低下/1-2.誰が対価を支払うのか/1-3.フリー経済のモデル]
2.グローバリゼーションの進行[2-1.グローバリゼーションとは/2-2.コンテンツとコンテナ/2-3.ユビキタスという大儀]
3.ガラパゴス化する日本[3-1.ガラパゴス化とは/3-2.コンテンツを囲い込む]
4.舵をどう握るか[4-1.コンテンツをただで配る/4-2.コンテナを利用する/4-3.おわりに]
終章 メディア・リテラシーの新展開
1.ソフトウェアの社会
2.「喩え」としてのメディア論
3.マスメディアとメディア・リテラシー
4.「アーキテクチャ」としてのソフトウェア
5.ソフトウェアを笑いあう