近代西欧の人間観の生成と更にその批判的展開としての現代の人間観を中心に様々な領域で露呈した「豊さの中の貧しさ」という事態に呼応し、現代人の具体的多様な側面を捉えた新たな哲学的人間学の入門書。[増補改訂版]
第1章 「豊な社会」と現代の人間像1.科学技術時代のパラドックス―豊さの質とテクノエシックス―2.大衆における人間―近代的個人と大衆の出現―3.大衆社会における人間―情報の氾濫と管理される人間4.ハイテク労働における人間―労働の変貌とテクノエシックス―第2章 現代の倫理的課題(生命・自然・人権)1.バイオエシックス―バイオテクノロジーと生命倫理の成立―2.日本人の死生観―死の向こうにあるもの―3.エコシックス―生命圏倫理あるいは環境倫理の課題―4.近代西欧の自然観―機械論的自然観の展開5.人格思想と現代のパーソン論―西洋の人格概念の諸相―6.日本人の倫理観―誠実で勤勉な日本人?―第3章 現代の人間観(近代合理主義批判の展開)1.近代ヒューマニズムの成立―合理的精神の誕生2.ベーコンとデカルトの自然観―近代合理主義思想の特質3.ニーチェの人生観―ニヒリズムの時代の生き方4.ヤスパースの実存哲学―哲学することの現代的意義5.フロイトの精神分析学―近代合理主義へのアンチテーゼ第5章 現代の思想的課題(「人間」の再検討)1.ウェーバーの社会思想―目的合理性と価値合理性の統合―2.功利主義と社会主義の思想―民主的精神の確立―3.実存主義と構造主義の思想―主体的人間の再検討―4.ハイデッカーとフーコーの時代批判―神の死から人間の死へ?―5.ハバーマスの社会哲学―現代における対話的理性の復権―6.現代思想のパラダイム変換―テクノエシックスとしての倫理の復権―第6章 現代社会と人間の未来1.少子社会における家族2.超高齢社会における家族―核家族化と女性の社会進出―3.国際化社会の変容―国際交流の多様化と異文化理論―4.現代を生きる人間―幸福のありか・生きがいのゆくえ―第7章 「目的合理性」と「価値合理性」1.ハバーマスの「社会的合理化」批判2.「目的合理性」と「整合合理性」3.「目的合理性」と「価値合理性」4.「理論的合理主義」と「実践的合理主義」5.「形式的合理化」と「実質的合理化」第8章 「システム合理性」と「コミュニケーション合理性」1.「システム統合」と「社会統合」2.コミュニケーション行為の「倫理学」3.コミュニケーション行為の「社会学」