学びをささえる出版社

カントの義務思想

藤本一司(著)
ISBN 978-4-7793-0235-0
四六上判
202ページ
2010/06/25 刊行
定価 ¥ 1,800+税

義務の概念を通常の理解を出発点として、そこからその「起源」「最上の根拠」へと遡行しその向うべき対象(悪への反転を可能にするものとしての「自惚れ」)を明らかにする道筋を辿るカント倫理学入門。

目次

まえがき
序章「通常の人間理性」への敬意
はじめに
一 出発点としての「通常の人間理性」
二 着地点としての「通常の人間理性」
三 「公表性」の原理と「通常の人間理性」
四 「通常の人間理性」の位置
五 ペシミズム、無関心の根拠と「通常の人間理性」への信頼

第一章 義務の概念
はじめに
一 「義務の最上の根拠」へ
二 「義務に適合して」と「義務に基づいて」
三 「行為の道徳的価値」
四 「負い目のある尊敬」

第二章「意欲する(Wollen)」と「為すべき(Sollen)」
はじめに
一 義務の起源へ
二 義務の起源としての原理
三 同一の意志における二つの意欲と「目的それ自体」
四 「目的の国」へ
五 「目的の国」から

第三章 自然支配と美
はじめに
一 美的判断力の地平
二 認識能力の自己「拘束」
三 「痕跡」としての美
四 美と「人間理性」の「運命」

第四章 理性をもつことの不適合と崇高
はじめに
一 「自然の崇高なもの」と理性
二 「美しいもの」からの追放
三 「現象」と「物自体」との分裂
四 悪への反転
五 「自由」の覚醒と「崇高の感情」

第五章 「義務思想」と「自惚れ」
はじめに
一 「道徳法則」と「格率」
二 「主体」の生起
三 意志の裂け目
四 「自惚れ」と裂け目
五 「性癖の意識」と「徳」
六 主体の裂開と「義務思想」

第六章 善い意志
はじめに
一 「善い意志」の善さの宙吊り
二 「善い意志の原理」の根拠
三 「自分」と「他のすべての理性的存在者」との峻別
四 単独性の極北(ich sage)
五 「創始者」と「世界の外」

あとがき