義務の概念を通常の理解を出発点として、そこからその「起源」「最上の根拠」へと遡行しその向うべき対象(悪への反転を可能にするものとしての「自惚れ」)を明らかにする道筋を辿るカント倫理学入門。
まえがき序章「通常の人間理性」への敬意はじめに一 出発点としての「通常の人間理性」二 着地点としての「通常の人間理性」三 「公表性」の原理と「通常の人間理性」四 「通常の人間理性」の位置五 ペシミズム、無関心の根拠と「通常の人間理性」への信頼第一章 義務の概念はじめに一 「義務の最上の根拠」へ二 「義務に適合して」と「義務に基づいて」三 「行為の道徳的価値」四 「負い目のある尊敬」第二章「意欲する(Wollen)」と「為すべき(Sollen)」はじめに一 義務の起源へ二 義務の起源としての原理三 同一の意志における二つの意欲と「目的それ自体」四 「目的の国」へ五 「目的の国」から第三章 自然支配と美はじめに一 美的判断力の地平二 認識能力の自己「拘束」三 「痕跡」としての美四 美と「人間理性」の「運命」第四章 理性をもつことの不適合と崇高はじめに一 「自然の崇高なもの」と理性二 「美しいもの」からの追放三 「現象」と「物自体」との分裂四 悪への反転五 「自由」の覚醒と「崇高の感情」第五章 「義務思想」と「自惚れ」はじめに一 「道徳法則」と「格率」二 「主体」の生起三 意志の裂け目四 「自惚れ」と裂け目五 「性癖の意識」と「徳」六 主体の裂開と「義務思想」第六章 善い意志はじめに一 「善い意志」の善さの宙吊り二 「善い意志の原理」の根拠三 「自分」と「他のすべての理性的存在者」との峻別四 単独性の極北(ich sage)五 「創始者」と「世界の外」あとがき