民主主義を基礎づけるような正しい道徳哲学や万人に妥当する唯一の客観的な道徳哲学の存在を考察しつつ、人格主義に対する確固たる信念を持ちながら、教育に情熱と愛情を終生ささげた思想家、塩尻公明の貴重な講義模様を編纂し収録。
第1章 民主主義の道徳哲学(帝塚山大学での講義ノート)講義の最初の挨拶 ―序にかえて第1節 民主主義の道徳哲学序説―唯物史観と道徳哲学1 ただ一つの正しい道徳哲学2 永遠の真理に関するエンゲルスの見解3 唯物史観の信奉者・解釈者に二通り4 カール・カウツキーの疎雑な解釈第2節 人格主義とは何か―思想家と人格主義1 人格主義をめぐるさまざまの疑問について2 孔子と人格主義3 ソクラテスと人格主義4 釈迦と人格主義第3節 人格主義とはどういうものか―人格の完成の内容1 人格の完成と幸福の達成2 形式的倫理学を捨て去るわけではない3 人格の完成の具体的内容(1) 全面的ないし多面的成長(2) 個性的成長(3) 人格完成の中核的要素(4) 対自的諸能力と対他的諸能力、永久的普遍的要素と時代的社会的要素1990 年刊『民主主義の道徳哲学』あとがき