人類は「いのち」をいかに尊んできたのか。世界の諸宗教にその軌跡をたどりながら味読できる明快な文体。心理学や哲学などの視点からも語る、独創的な章構成。一覧表、図版・聖句の解説、年表、註、索引を満載した宗教学入門書のロングセラー。
歳月をかけて加筆や改変をほどこした、新装改訂版(ソフトカバー)。
宗教に関する多方面からの理解を深め、本書のキーワードを把握するのに役立つ用語解説付き。
口絵写真「水惑星地球」と著者からのメッセージ”A Message from the Author”
第1章 「~教」以前の“宗教”とは?ーその原初的にして本質的な姿
第1節 「いのち」に気づく
1 この神秘なる“自己”を覆いつくす身体
2 外界を覗く二つの穴
3 身体的空間に響く音声
4 「いのち」の宿る身体と「いのち」の去った身体
第2節 「いのち」の表現
1 洞窟壁画の思想―呪術と宗教
2 呼吸の浄化としての唱名―「祈り」の原形
3 美術・建築・音楽による“身体”表現の多様化
第3節 「いのち」の解釈
1 “かたまり”をなして宿るもの
2 “はたらき”として現ずるもの
3 “かたまり”をなしても滅ぶべきもの
第4節 「いのち」のゆくえ
1 「この身のままで生き永らえたい」と願う場合
2 「この身は果てるとも、どこかで存続する」と信じる場合
3 「この身において生きたという証を後人に託す」場合
4 「この身に起きること(現実の生活)に永遠のいのちを観る」場合
第5節 「いのち」の価値観
1 宗教は「いのち」をどう観るか
2 科学との対立・連携・相即
3 かけがえのない「いのち」
第2章 多様なる「~教」の発祥・成立・展開
第1節 「宗教学」の基本的立場
第2節 人間の歴史から「宗教史」を切り取る―8宗教の選択
1 考える作業にともなう「識別→比較→還元」のプロセス
2 「預言者の宗教」と「覚者の宗教」の識別
第3節 「宗教史」の縁起性と啓示性
1 業報をめぐる「宗教的時間」
2 諸宗教の歴史的連関を包括する「宗教史的時間」―その「縁起性」と「啓示性」
3 「宗教史的時間」の「空間」的把握―「一覧表」の活用
第4節 「宗教史」における「唯一神」の生成
第5節 人間の脳裡に蓄積した多次元的時間の還元
第3章 比較宗教学の目的と方法
第1節 バランス感覚にもとづく諸宗教の把握
第2節 比較するには共通項が必要である
第3節 「聖なるもの」をめぐる宗教の構成要素
1 「聖なるもの」の諸相
2 一覧表の解説と提示
第4節 比較宗教学のモラル
1 地図で色分けできない宗教世界
2 「~教徒」の生き方・考え方を尊重する
第4章 比較宗教学の実践例
第1節 大切なものは目にみえない―諸宗教の至聖所にみられる「空の御座」
第2節 初めに、8宗教を俯瞰する
1 ゾロアスター教:「いのち」の創造と破滅をめぐる闘いに挑む
2 ユダヤ教:「いのち」の創造者に対する応答責任を自覚する
3 キリスト教:「いのち」のよみがえりにあずかる
4 イスラーム:「いのち」のなかに神の徴を観る
5 シーク教:「いのち」の浄化につれて成長する
6 ヒンドゥー教:「いのち」の帰入すべき理法にゆだねる
7 ジャイナ教:「いのち」の清浄なる本性を取り戻す
8 仏教:「いのち」の充実に徹して生きてゆく
第3節 8宗教にみられる影響関係・共通点・相違点―諸宗教の「いのち」を育むもの
第4節 続いて、3宗教と比較する
1 儒教:「いのち」あるかぎり道を求める
2 道教:「いのち」を超えて生きる
3 神道:「いのち」の清らかなる幸いを願う
4 神道をめぐる諸宗教
結語
註
索引・凡例
Ⅰ.和文索引・(1)仏、菩薩名、神名・人名
Ⅰ.和文索引・(2)事項
Ⅱ.欧文索引
索引のフィロソフィー
カバーデザインの解説
附録 用語解説
あとがき