ーー歎異鈔を近代によみがえらせた幻の名著の復刊ーー大正末期から昭和中期にかけて活躍した、真宗大谷派の念仏者 蜂屋賢喜代の代表的講話集を、原著が醸し出す独特の空気を保ちつつ旧字体・旧仮名遣いを改め、現代の読者が読みやすい文体で再刊。親鸞思想の本質を説く。「だいたい、この一節は「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」、これだけのことを話したいのであります。善人でさえ助けられるのならば、悪人はむろん助けらるる、ということを申したいのが、親鸞聖人のお心であります。ところが、(中略)私の親しくしているある紳士は、この第三節と第九節とは、どうも道理に合わないと思う、理屈にはずれているようであるから、これはおそらく親鸞聖人の誤りではないか、これをいわれたときの聖人の頭は、どうかしていたのではなかろうかと思うと、いわれたことがあります。しかし、私にいわせれば、この節と第九節が、なるほどとわかるようになってこそ、はじめて宗教というものがわかったのだと思います」(「第三節 悪人救済」より抜粋)
第1節 他力救済の精髄第2節 入信の径路第3節 悪人救済第4節 愛の完成第5節 父母孝養の問題第6節 聖人の師弟観第7節 念仏者は自由人なり第8節 念仏は善に非ず行に非ず第9節 信仰上の二大疑問第10節 他力の極致第11節 誓願に救わるるか 名号に救わるるか第12節 学問と信仰第13節 絶対他力信と善悪に対する思念第14節 懺悔滅罪と祈祷と報謝第15節 他力教と自力教の相違点第16節 自然の宗教第17節 辺地の往生第18節 信仰と財施第19節 他力廻向、同国人と異国人、五劫思惟の願、我は世界の中心なり、 真善美を求めて、念仏の世界、利他愛の顕現