家族、教育、性、労働、ルーツ。それぞれの背景をもった執筆者たちの声を聴き、「理不尽でない普遍的な社会の土台」について考える。大阪府立大学工業高等専門学校の教育プログラム「ふらっと高専」が提案する、新しい人権の教科書。
〈オーディオブックのご案内〉
本書『ふらっとライフ』のオーディオブック(スクリプト画像付き)をご視聴頂けます。
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はじめに
序 章 二つの「あたりまえ」と「ふらっとライフ」(伏見裕子)
1 二つの「あたりまえ」
2 「人間としてのあたりまえ」を実現していくプロセス
3 「理不尽」をめぐる対話
4 いろんな人が関わる「補修工事」
5 「ふらっとライフ」とは?
〈第1部 家 族〉
第1章 いろいろな家族のかたち――ステップファミリー、養子縁組家庭を中心に(古川恵美)
1 さまざまな家族との出会い
(1)保健室での出会い
(2)子どもからの家族関係に関する相談
2 親の再婚で家族になる
(1)ひとり親家庭やステップファミリーの増加
(2)新しい家族が加わるという緊張感
(3)家族になるための工夫~ある継父と継子の語りから
3 血縁関係のない親と子で家族になる
(1)里親制度を広める取り組み
(2)養子縁組制度とその他の里親制度の違い
(3)「生い立ちの授業」
4 自分の家族観をこえて
第2章 誰とどんなふうに暮らしたい?――部落問題を学んで考えた“家族”のかたち(川﨑那恵)
1 浅香地区の話
(1)記憶のはじまりにある懐かしい町
(2)浅香の部落解放運動
2 差別との出会い、葛藤
(1)引っ越しを機に言われたこと
(2)大学で部落問題を学ぶ
3 葛藤と向き合い、乗り越える
(1)カミングアウトをめぐって
(2)両親の選択と私の生き方
4 部落差別とは何か
(1)家族からの呪縛
(2)部落差別を下支えするもの
(3)個人を抑圧しない生き方の模索
(4)問題を学ぶことの大切さ
(5)自分が変わることから社会を変える
コラム① 介護のしやすさという発想(鯵坂誠之)
コラム② 障がい者と家族(鎌倉義雄)
〈第2部 教 育〉
第3章 学校の「フツウ」のなかにある平等と不平等――決まりを守ること・能力に応じた進路に進むこと(土田陽子)
1 学校の「フツウ」
2 「決まりを守ること」
(1)丸刈り訴訟
(2)黒染め強要訴訟
(3)学校はなぜ毛髪をコントロールしようとするのか
(4)二つの訴訟の争点
(5)謎ルールの増加と学校が考える「平等」な指導
3 「能力に応じた進路に進むこと」
(1)医学部入試における選考基準問題
(2)進学・非進学の平等と不平等
(3)能力に応じた進路に進めないのは誰の責任か?
4 今、起こりつつある変化
第4章 学校の外でも学び・過ごせるために――学校に行けない・行かない子の権利の保障を考える(藤根雅之)
1 不登校への感覚
(1)ちゃんと学校に行かないなんてずるい
(2)フリースクールに行くなんてずるい
2 「ずるい」をちょっと考えてみる
(1)理不尽なルールによって作られる「ずるい」やつ
(2)理不尽なルールへの「逃げる」という対処法
3 フリースクールという自治の空間
(1)自分たちでルールを「作る」
(2)フリースクールでの過ごし方
(3)フリースクールの難しさ
4 学校に行かないことを「権利」として考える
(1)「逃げる」権利
(2)「自分たちで作る」権利
コラム③ スポーツ・インテグリティーの確保・向上に向けて(橋爪 裕)
コラム④ 多民族社会ハワイにおけるダイバーシティ&インクルージョンの取り組み(東 優子)
〈第3部 性〉
第5章 トランスジェンダー・ライフ――いわゆるMTFの弁護士として(仲岡しゅん)
1 戸籍上は男性の「女性弁護士」
2 トランスジェンダー、LGBT、とは
(1)「トランスジェンダー」
(2)「LGBT」
(3)「性同一性障害」
(4)性のありかたの多様性
3 アイデンティティーの変遷
(1)趣味・嗜好とジェンダーバイアス
(2)子どもの頃の自己像
(3)異性愛者でも、同性愛者でもない自分
(4)「仲岡くん」から「しゅんちゃん」へ
4 トランスジェンダーと社会の障壁
(1)日常と社会的障壁
(2)学校とジェンダーバイアス
(3)トランスジェンダーの法律問題
(4)可能性としてのトランスジェンダー
5 おわりに(トランスジェンダーの意識を)
第6章 「合意」が大切!――身体を用いたコミュニケーションの基礎知識(中山良子)
1 関係/生き方の多様性
2 性別?
3 異性間のセックス――妊娠週数・安全日?・避妊
(1)妊娠三か月?――妊娠週数の数え方を知る
(2)安全日ってあるんですか?
(3)避妊
4 性感染症
5 人工妊娠中絶のことも知っておこう
6 「明確で自発的な合意」をめぐって
(1)紅茶ならわかる。じゃあ、セックスなら?
(2)刑法と性暴力
7 関係を真摯に編むために
コラム⑤ 男性の育児休業(楢崎 亮)
コラム⑥ 心とからだのプロフェッショナル!? 養護教諭って何だ!? (高橋 舞)
〈第4部 労 働〉
第7章 「最底辺」から建設業界を支えてきた労働者たち――釜ヶ崎(あいりん)地区日雇建設労働者の闘い(住田一郎)
1 釜ヶ崎(あいりん)地区ってどこ?
2 活気に満ちていた労働者の町
(1)大阪万博を支えた労働者たち
(2)活気づく釜ヶ崎
(3)俺たちも人間ぞ!
3 働く者の権利と誇りを勝ち取る闘いへ
(1)西成労働福祉センターの設立
(2)青空労働市場の改善に向けて
(3)力を合わせて――労働組合とセンターの協同
(4)労働者を守る制度を!
4 路上に放り出された労働者たち
(1)バブル崩壊――野宿者の急増
(2)野宿のおっちゃんたちを路上から住まいへ
5 労働者、そして労働とは
第8章 苦手なことがあっても働ける――「合理的配慮」って何だろう(松波めぐみ)
1 「できる」から働ける?
2 「できない、できる」を考える――ふたつのエピソードから
(1)講演の後で、びっくり
(2)Bくんの夢はどうなる?
3 「合理的配慮」とは何か?
(1)新しい法律
(2)差別の禁止とは?
(3)「合理的配慮」とは何か
(4)合理的配慮と「社会モデル」
(5)身体の不平等が「人生の不平等」にならないために
4 こんなふうにして働いている――さまざまな「障害のある先生」
(1)聞こえにくいC先生
(2)車いすを使用するD先生
(3)視覚障害(全盲)のE先生
(4)手に軽度の障害があるF先生
(5)学習障害のあるG先生
5 できなくても働ける社会へ
コラム⑦ 誰のための福祉機器製作か(金田忠裕)
コラム⑧ 「とかいなか」での暮らしと仕事(伏見裕子)
〈第5部 ルーツ〉
第9章 外国にルーツをもつ「日本人」のこと――移民や外国人が住みやすい社会に向けて(片田 孫 朝日)
1 日本と朝鮮の二つのルーツへ
2 朝鮮半島からの移民
(1)祖父母の生い立ち
(2)移民としての在日朝鮮人
(3)植民地からの移民の外国人化
(4)日本の移民・外国人政策
3 「孫正義」という名前の「日本人」が生まれるまで
(1)朝鮮部落に生まれ、身元を隠す
(2)孫正義という日本国籍者が生まれるまで
4 わたしの名前とKFCでの活動
(1)自分で新しい名前を創る
(2)神戸定住外国人支援センターの活動と日本のこれから
第10章 命の源、水を守る人々――インド、ケララ州の社会運動の現場を巡る(春日 匠)
1 世界各地の社会問題を巡る旅へ
2 「世界社会フォーラム」のテントを訪ねる
3 手づくりの水道
4 水は誰のものか
5 「人類の未来」への想像力をもとう
コラム⑨ アボリジニ、そしてアイヌ民族との出会いから(宮崎紗織)
コラム⑩ 広島原爆と「在外被爆者」(木村尚子)
終 章 「あたりまえ」を問う(中田裕一)
1 差別や排除の背景にあるもの
2 運動の「あたりまえ」
(1)歩けるのは「あたりまえ」?
(2)運動の形式
3 文化の「あたりまえ」
(1)文化の本質
(2)価値観
4 「あたりまえ」を変えるには
(1)当事者からのスタート
(2)問い直す勇気
おわりに